俳優の國村隼(65)が10月スタートのTBS日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」(日曜後9・00)に地球物理学者役でレギュラー出演することが5日、発表された。
原作は小松左京による不朽の名作SF小説「日本沈没」。1973年に刊行された翌年にはTBSでテレビドラマ化され、以降も映画・アニメ・漫画など様々な形で語り継がれてきた。
今回は、原作の中にもある「環境問題」を2021年バージョンとして鮮明に描く。原作に大きくアレンジを加え、舞台は2023年の東京。国家の危機に瀕してなお、一筋の希望の光を見いだすために奮闘する究極の人間ドラマがオリジナルのキャラクター&ストーリーとして展開される。
脚本は「華麗なる一族」「獣医ドリトル」「LEADERS リーダーズ」などの橋本裕志氏。演出は「インハンド」「ノーサイド・ゲーム」「TOKYO MER~走る緊急救命室~」などの平野俊一氏ら。撮影は今年春に終了した。
國村が演じるのは、日本地球物理学界の最高権威とされる東京大学教授・世良徹(せら・とおる)役。東山総理(仲村トオル)から災害の専門家として信頼を置かれ、危機管理の際は専門家の立場からのスポークスマンを任されている。関東沈没の可能性に気付く日本地球物理学界の異端児・田所博士(香川照之)は後輩。画期的な業績を挙げた田所に後塵を拝した過去があるという因縁の間柄。その後、田所が問題を起こし、東大を追われてからは一切連絡を取っていなかったが、田所が説く“沈没説”をめぐって再会。“因縁の対決”が再び始まる。
國村は2010年10月期の日曜劇場「獣医ドリトル」などで小栗と共演。今回は、常識人の科学者として“田所”香川と真っ向から対立。21年版「日本沈没」の最重要キャラクター。天才とも狂気とも呼ばれる田所と、人格者・世良の常識がぶつかる時、主人公の環境省官僚・天海(小栗)は、どちらの未来を信じるのか――。
▼國村隼 「日本沈没」という小松左京さんの原作が書かれたのはほぼ半世紀も前のことですが、今、世界が直面している問題と驚くほどの符合を感じさせられてしまうのです。現在は、温暖化が原因とされる地球規模の異常気象や新型コロナウイルスによるパンデミック等…。当時は日本列島の危機として描かれ、それを今、地球規模の危機として描き、人類全体の未来を問おうとしています。このドラマは来るべき未来の物語なのだと思います。
▼東仲恵吾プロデューサー 國村隼さんに演じていただく世良教授はドラマオリジナルのキャラクターです。本作を2021年の今、描くにあたり、最も重要な意味を持つ役として構築しました。科学者という客観的に証明できる立場だからこそのしかかる“一言の重み”、“常識を飛び越した事態”に翻弄されていくキャラクターです。誰よりも表面上は落ち着き払いつつ、誰よりも心の中では取り乱している。そういう複雑な感情と芝居を演じ切っていただけるのは國村さんしかいないと思い、オファーさせてもらいました。一つ一つの表情、動きから目が離せない、そういうキャラクターにしてくれました。是非お楽しみください。
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