数多くの優れたバレエダンサーを育て、新国立劇場バレエ団を世界水準に引き上げた舞踊家で文化功労者の牧阿佐美(まき・あさみ、本名・福田阿佐美=ふくだ・あさみ)さんが20日午前11時35分、大腸がんのため東京都内の自宅で死去した。87歳だった。告別式は近親者で行う。
日本バレエの草分けの一人だった母・橘秋子さんに4歳から習い始めた。正統的なロシアバレエの流れをくむダニロワやシュベッツォフの指導を受けた。1956年に母と「牧阿佐美バレエ団」を結成。30代で創作や指導、経営に専念した。
世界に通じる才能を育てるため、プロを目指す生徒を選抜し、自ら教える独自のシステムを作り、バレリーナの草刈民代さん、上野水香さん、振付家の金森穣さんらを輩出した。
99年から2010年まで東京・新国立劇場の2代目舞踊芸術監督を務めた。演目を拡充し、同劇場のバレエ団の実力を引き上げた。09年にはモスクワのボリショイ劇場で自作の「椿姫」を上演して喝采を浴びた。
振付家としては、確かな古典の技術や豊かな音楽性を重視した。劇的な展開、センスの良い色づかいの衣装やセットが印象的な物語バレエを制作した。古典を改訂した「ラ・バヤデール」などは新国立劇場の主要演目になっている。
80歳を超えても、「理想に向かって進んで行かなければ」と創作意欲は尽きず、映像と踊りを合わせた大作「飛鳥 ASUKA」を発表したり、X JAPANのYOSHIKIさんの曲に振り付けしたりした。昨年も牧バレエ団の団員たちに基礎を特訓し、「良いダンサーを育てることが私の最後の仕事のような気がする」と話していた。
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