25日公開の「Arc アーク」は、“人類で初めて永遠の命を手にした女性”の物語。若さを保ったまま100年以上生き続けるヒロインという難役に挑んだ芳根京子は、「どう演じるのが“正解”なのか、誰にもわからない。思うままに演じられた」と語る。(文化部 山田恵美)
原作は、中国系米国人の作家ケン・リュウのSF小説。テクノロジーによって老いや死を克服した近未来を、「愚行録」「蜜蜂と遠雷」の石川慶監督が、一部モノクロの流麗な映像で描き出した。
産んだばかりの息子を病院に残して出奔したリナ(芳根)は、後に師となる
「どんな映画になるのか想像もつかなくてワクワクした」という。同時に、若い体のまま50歳、90歳……と年齢を重ねるリナの心情を表現するには、「お芝居の経験も人生経験も全然足りないなって」。一度は、役のオファーを断った。
「芳根さんならできる。スタッフみんなで支える」と、石川監督に励まされ、飛び込もうと決めた。「100%の自信じゃなかったけど、できるかもしれないっていう気持ちが芽生えたんです。自信というより、希望かな」
脚本からキーワードを拾い、リナの人物像を練り上げて撮影に臨んだ。だが、現場では、考えるよりも先に「心がずっとザワザワと動いていた」と振り返る。「どんな気持ちか、一言では言えないけど。湧き上がってくる感情に一切ブレーキをかけずに演じた」。人生の年輪を表情や言葉ににじませる、情感のこもった演技に目を奪われる。
「身体性」を重要なテーマの一つと捉えた石川監督の意向で、原作にはない舞踊シーンが加えられた。ダンスは初めて。「『私の持っている力が試されてる!』って、すごく感じました」
ゼーゼーと息が上がり、撮影がストップしたことも。「いつもは役として追いつめられるけど、素の『芳根京子』が追いこまれました。ひたすらアワアワしてたんじゃないでしょうか」。ちゃめっ気たっぷりに笑った。
石川監督に芳根についてコメントを寄せてもらった。
3年前、連続ドラマ「イノセント・デイズ」(WOWOW)で一緒に仕事をした時、1カットに全力を傾ける姿が強烈に印象に残りました。一緒に闘える人です。負けず嫌いで、撮影ではどんなに高いハードルも越えてくれた。リナとして出会う共演者の方々と呼応し、役の新たな「核」を形作る。場面ごとに変わるリナの顔を、驚きを持って見ていました。誰にでもできることではありません。生々しいほどの存在感でした。
からの記事と詳細
https://ift.tt/3gY4JB0
エンタメ
Bagikan Berita Ini
0 Response to "永遠の命を得た芳根京子「正解は誰にもわからない」…一度は断った難役「ひたすらアワアワ」 - 読売新聞"
Post a Comment