湯浅政明監督による劇場アニメーション映画「犬王」のメインキャストが発表され、能楽師の犬王を4人組ロックバンド「女王蜂」のボーカル・アヴちゃん、そのバディである琵琶法師の友魚役を俳優・森山未來が演じる。あわせて特報が初公開されたほか、新たな公開日が2022年初夏に決まっている。
「平家物語 犬王の巻」を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、バディの琵琶法師・友魚(ともな)の友情を描くミュージカル・アニメーション。キャラクター原案は松本大洋、脚本は野木亜紀子。本作は、第78回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出されている。同部門への日本の長編2Dアニメーション選出は初めて。
当初は2021年公開予定だったが、新公開時期として2022年初夏の上映が決定。そのため、今年9月に行なわれるヴェネチア映画祭での上映がワールドプレミアとなる。配給はアニプレックス、アスミック・エース。
メインキャストを演じるアヴちゃんと森山は、公私ともに仲がよく、2011年公開の映画「モテキ」以来の共演となる。犬王役のアヴちゃんはアニメ「DEVILMAN crybaby」以来の湯浅監督作参加で「普段女王として生きているわたしが、今回『王』として生きる機会を頂きました。『犬王』。まっすぐに、運命の映画だと言い切ることが出来ます」とコメント。
「聖☆おにいさん」以来、2度目のアニメ声優出演で、これが湯浅監督作初参加となる森山も「琵琶法師、友魚として、これまたぶっ飛んだアヴちゃん演じる、艶やかな犬王に寄り添う。必然、ジェットコースターのような現場でした」とアフレコをふり返った。
古典芸能である「能楽」を湯浅監督らしいアプローチで描く本作では、音楽も重要な要素。今回は「あまちゃん」や「花束みたいな恋をした」などで知られる大友良英が音楽を担当した。大友は「気づくと自分も『犬王』の世界にすっかり没入していました。とんでもない作品です。大傑作です!」と本作への熱量をあらわにしている。
あわせて公開された特報では、犬王と友魚が湯浅監督のイマジネーションが爆発した躍動感あふれるアニメーションで描かれ、そこに伸びやかでいて、高音から低音まで縦横無尽に飛躍する犬王の歌声が重なっていく。犬王と友魚がファンタジックに宙に舞い上がるシーンをきっかけに音楽は一転リズミカルに。「室町時代」や「能楽」の既成概念を取り払うかのような、音楽フェスにも見えるシーンが次々と畳みかける内容となった。
キャストコメント
犬王(いぬおう)役:アヴちゃん(女王蜂)
普段女王として生きているわたしが、今回「王」として生きる機会を頂きました。
「犬王」。
まっすぐに、運命の映画だと言い切ることが出来ます。
ああ! 来年をおたのしみに!
友魚(ともな)役:森山未來
現存する能楽が確立される前なのだから自由な発想で演じられていい、という考えのもとに湯浅監督が生み出したぶっ飛び能楽アニメーション「犬王」。琵琶法師、友魚として、これまたぶっ飛んだアヴちゃん演じる、艶やかな犬王に寄り添う。必然、ジェットコースターのような現場でした。
世界最古のミュージカルと言われる「能楽」の豊かな可能性を感じられる映画になっているのではないでしょうか。
スタッフコメント
音楽:大友良英
正直に書きます。湯浅監督の具体的なのか抽象的なのかさっぱりわからない無茶苦茶な注文と、素人目には何が描かれているか皆目検討がつかないスケッチ段階の動画に翻弄されまくった3年間でした。
でもただ翻弄され続けただけならとっくにやめてます。絵が立ち現れ歌や音ともに動き出した時の興奮と感動をいったい何度味わったことか。気づくと自分も「犬王」の世界にすっかり没入していました。とんでもない作品です。大傑作です!
監督:湯浅政明
2人の物語が多くの人に知られると嬉しい。
室町時代にロックな演奏で歌唱で舞で、自分の生き方を貫き、宿命的な奈落から駆け上がって行った2人。映画は見てるだけで胸が熱く、あがるものになるはずです。
オーパーツは至る所にあったはず。我々は多くの物語を知らなすぎる。彼らが認められ、称賛されることは、どの時代をも真直に生きる者達が報われる事だ。
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