同賞は、全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、 直近1年間の『直木賞』の候補作、5作品のなかから「今年の1作」を選ぶ試みで、 2014年にスタート。今年で8回目となる。本年の『高校生直木賞』には全国から31校が出場し、オンラインによる白熱した議論は数時間に及び、本賞初、伊吹有喜氏の『雲を紡ぐ』との同時受賞となった。
加藤の3年ぶりの新作長編となる『オルタネート』は、昨年11月の刊行直後から話題を呼び、12月18日に第164回直木賞にノミネート。 以降、あらゆるメディアからの取材が殺到し、1月5日に累計10万部(5刷)のベストセラーを記録した。さらに、今年1月21日には『本屋大賞』初ノミネート、そして3月2日には、最も将来性のある新人作家に贈呈される賞とされる、 第42回『吉川英治文学新人賞』を受賞。アイドル初の文学賞ノミネート、受賞という快挙を成し遂げた。セールスは現在までに累計17万8000部(11刷)を記録している。
加藤は「この度は高校生直木賞を授与していただき、 誠にありがとうございます。 受賞の知らせを聞いた時、 不意に『荒野の果てに』が頭の中に響きました。オルタネートは、 若い世代に読書を楽しみを知ってもらいたいと思って書いた作品です」とコメント。「作家になってから時折、『加藤くんの本を読んでみたいけれど、小説は難しくて読めない』と言われることがあり、それを聞く度に彼らは幼い頃に楽しい小説に出会えなかったんだろうなと感じていました。ならば自分が、 若い世代が純粋に楽しめる作品を書き、小説を好きになってもらおうと考え、このような高校生の群像劇を執筆するに至りました」と回顧した。
その上で「自分の願いが叶い、実際に高校生の方々に届いたのであれば、 これ以上に幸せなことはありません。世界には素晴らしい本がたくさんあります。読者の方々には、この本をきっかけに、人生最高の一冊と出会う旅に出発してほしいと思います」と呼びかけている。
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