上方歌舞伎の第一人者として活躍した人間国宝で文化勲章を受章した歌舞伎俳優の坂田藤十郎さんが12日、老衰のため亡くなりました。88歳でした。
坂田藤十郎さんは昭和6年に二代目中村鴈治郎の長男として京都市で生まれ、9歳の時に中村扇雀の名前で初舞台を踏み、平成2年には、三代目中村鴈治郎を襲名し、上方歌舞伎特有のしっとりとした演技「和事(わごと)」の第一人者として活躍しました。
平成17年には、231年ぶりに上方歌舞伎の大名跡坂田藤十郎を復活させて四代目を襲名し、近松門左衛門の作品を中心に舞台を務めてきたほか、アメリカやロシア、中国など海外公演にも熱心に取り組み、歌舞伎を世界に広く紹介しました。
平成6年に人間国宝に認定されたほか、平成15年に文化功労者に選ばれ、平成21年には文化勲章を受章しています。
藤十郎さんは去年12月に京都の南座での顔見世興行、「祇園祭礼信仰記 金閣寺」が最後の舞台となり、ことしは舞台にあがっていませんでした。
松竹によりますと、藤十郎さんは12日、都内の病院で老衰のため亡くなりました。88歳でした。
葬儀は親族のみで執り行ったということで、お別れの会などの予定は決まっていないということです。
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