2020年12月3日 8:00 576
「First Love 初恋」は、1999年に発表された宇多田の「First Love」と、2018年にリリースされた「初恋」にインスパイアされたもの。劇中では1990年代後半、2000年代、そして現在という3つの時代が交錯する中、ある男女の約20年にわたる“初恋”の記憶がつづられる。宇多田の楽曲をもとにしたオリジナルドラマが制作されるのは、今回が初。
フライトアテンダントを目指すも、不慮の事故によって運命に翻弄される野口也英(のぐちやえ)役で、満島が出演。そして航空自衛隊のパイロットだったが、現在は別の道を進む並木晴道(なみきはるみち)を、佐藤が演じる。監督と脚本を担当するのは「DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」の
「First Love 初恋」は2022年にNetflixにて全世界で配信される予定。
満島ひかり コメント
晴道役は、佐藤健さんはどうかな?と、私が提案したんです。私は、ラブストーリーをほとんどやったことがないので、ドキドキする新しいキャスティングがいいなと思っていて。プロデューサーの坂本(和隆)さんが、ネットに出ている健くんの写真と私の写真を合わせて、みんなで見ながら「似合う、似合う!」「この組合せ新しい!」って盛り上がったりして。そして、健くんがやって来てくれて、寒竹さんの筆が動き出して、脚本がもっと具体的に、もっと素敵になっていった。ドキドキする場面が増えていった気がします。
この話をいただいたのは、フリーランスになってすぐの時期で、心体技ともに健康のまま作品に関われるのか不安もあったんです。少し休んで、いろんな役の疲れがとれてやっと自分に戻れていたのと、ドラマを作るためにドラマを作っていることにちょっと違和感が募っていたのと。お芝居が好きで、作品に愛おしさを感じて、そのキラキラした愛みたいなものを形にならない形にしていたいのに、何かやりたい!という衝動が作品を制作することそのものに負けていたり、作る過程の速度とか、ビジネスに負けているのが不思議で……。だから初めはいぶかしげに話を聞きに、会いに行ったんですが、帰り道に涙があふれてきて。たぶん寒竹さんをはじめ、プロデューサーの坂本さんと八尾(香澄)さんのそれぞれから、熱い気持ちやいい緊張感が伝わってきたから。ああ、私はこの人たちと出会ったんだなと心が動いたんです。脚本を自分で書いて自分で撮るということや、私と年齢が近いことも含めて、寒竹さんと共にやってみたいなと思いました。
佐藤健 コメント
お話をいただいたとき、正直、この座組ならなんでも面白くなるだろうって思いました。寒竹さんとは10代の頃に仕事をしていて、すごく印象に残っていた方だったので、またご一緒できることが嬉しかったし、もちろん満島さんとの共演も。この二人と仕事がしたいと思ったんです。
僕自身、ラブストーリーは見るのも好きだし、挑戦したいとも思っているジャンルなので、ラブストーリーで声がかかるのは嬉しくて。ただ、相手役の方は本当のところどう思ってるんだろうって、気にしちゃうんですよね。だから満島さんがさっき言ってくれたみたいに、「私が決めました!」と聞けるとホッとするし、すごく嬉しかった。
寒竹ゆりは天才だと思いました。王道なラブストーリーということ以上のディテールが脚本の細部に詰まっていて、二人のやりとりやセリフの一言一言が美しい。すごく惹かれましたね。
僕は、みんな也英のことを好きになるだろうなって(思う)。脚本を読みながら普通にキュンキュンしていたし、特に高校生の二人のやりとりの甘酸っぱさは、映像で見たら、もっと胸キュンしちゃうんだろうなって思います。
寒竹ゆり コメント
八ヶ岳のうちのカウンターで、ひかりちゃんと健くんが並んでビールを飲んでいる姿が、もう普通にお似合いで、とても素敵で、ずっとニヤニヤしながら眺めてました。何だかんだ言っても、恋愛ドラマはカップリングが一番大事。恋が動き出しそうな二人じゃないと、ドラマを見たいと思わないですから。ひかりちゃんはもちろん、健くんに会ってからはイタコみたいになって、晴道についても筆が進みました。いい役者と出会うとこういう風になるんだなって。通常のドラマだと脚本が完成していない段階で撮り始めることもあると思うんですけど、今回は、本を作る時間、議論する時間、熟成させる時間がある。ありがたいです。
坂本プロデューサーから宇多田ヒカルさんの「First Love」と「初恋」を繋ぐ物語を作りたいと声をかけてもらって、すぐに「やりたい!」と思ったんです。多くの人にとって宇多田さんの曲は特別だと思うけれど、私は彼女と同じ学年ということもあって、そういう意味でも、常に気になる存在、特別な存在でした。いまでもよく覚えているのが、宇多田さんが15歳でデビューしたとき、学者みたいな人が、難しい顔で歌詞を分析していたこと。そんな大人を同い年の子が感心させていることがショッキングでしたし、自分達の方が彼女の歌詞を本質的に理解できている気がしました。このドラマのセリフにもありますが、その時「私たちの時代が始まった」と思わせてくれたんです。そんなこともあり、宇多田さんの「First Love」から「初恋」の間に起きた20年間のエポックを、也英と晴道の20年間のドラマを通して描くことがすんなりイメージできましたし、あの歌詞からこの物語を描く必然性を感じました。
坂本和隆(エグゼクティブプロデューサー)コメント
2018年の冬のある日。乗り合わせたタクシーで聴き慣れた宇多田ヒカルさんの「First Love」が大音量で流れていました。あまりの音量に「お客さんから音を下げてくれと頼まれませんか」と問うと、「宇多田ヒカルさんの楽曲は音を上げて聞きたいとリクエストがあるんだ!」と返事が。思いも寄らぬ返事に、今回の企画を直感的につくるきっかけを頂いたものです。多くの世代に愛されたこの楽曲は、僕自身を含めて当時の記憶を蘇らせる力があります。
偶然にも2018年は宇多田さんが「初恋」をリリースされた年でもありました。その歌詞に触れた時「First Love」と「初恋」を繋ぐ、恋愛物語を創りたいと考えました。そんな壮大な物語を紡げるのはだれだろう? 寒竹ゆりしかいない……それが我々の冒険のはじまりの瞬間でした。
宇多田さん、素敵な機会をありがとうございます。いまここに最高のメンバーが揃いました。最高の作品になると確信してます。
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