2021年2月20日より全国劇場にてロードショー公開される『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』は、『魔進戦隊キラメイジャー』(2020年)と『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)、そして2021年3月7日よりテレビ放送がスタートする新番組『機界戦隊ゼンカイジャー』という「スーパー戦隊シリーズ」劇場版3作品で構成される、スペシャルな映画である。
個性豊かなメンバーがひとつのチームを作り、巨大な悪の軍団に立ち向かう……というのが「スーパー戦隊シリーズ」の基本姿勢。『機界戦隊ゼンカイジャー』では、1人の人間ヒーローと4人のキカイノイド(機械生命体)が固い絆で結ばれ、悪の王朝トジテンドの魔の手から世界を守るという筋書きとなっている。
第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)から数えて「45作目」となる本作を記念して、劇場版『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!』では、ゴレンジャーのリーダー・アカレンジャーから『魔進戦隊キラメイジャー』のキラメイレッドまで44作品・45人もの"レッド戦士"がせいぞろいし、ゼンカイジャーを力強く励ます場面が作られた。
ここでは、ゼンカイジャーの中で唯一の"人間"ヒーローとなるゼンカイザー/五色田介人(ごしきだ・かいと)を演じる駒木根葵汰(こまぎね・きいた)にインタビューを行った。前代未聞のチーム編成で悪と戦うゼンカイジャーについての印象や"戦隊ヒーロー"になったのを実感した瞬間、そして45作品もの長い歴史を持つ「スーパー戦隊シリーズ」の最新作で主演を務めることへの意気込みを、明るく快活に語ってくれた。
――『ゼンカイジャー』主演の五色田介人役に決まったと知らされたとき、まずどんな思いを抱きましたか。
「ええっ、ウソでしょ!?」という驚きでいっぱいでした。少し経って、本当に決まったんだ……と喜びが込み上げてきましたが、知らされ方が特殊だったので、初めは素直にうれしい!という気持ちになれなかったんです。
事務所から「次のオーディションは……」と言われたので、「ああ(ゼンカイジャーのオーディションは)ダメだったんだなあ。よし、気持ちを切り替えて次にチャレンジしよう」と思っていたところに、バッと紙を渡されて、そこには「受かりました!」と書いてあったんです。あまりにも見事なサプライズ発表をくらってしまって、いったん切り替えた気持ちが元に戻らず、「もしかして、この"受かりました"もドッキリのひとつ、ダブルドッキリじゃないのかな」って勘ぐったりもしました(笑)。でも本当に受かったとわかって、安心しました。
――通常の「スーパー戦隊シリーズ」では、基本5人の俳優がキャスティングされることが多いですが、今回"人間"ヒーローが駒木根さん1人だけということについて、どう思われましたか。
オーディションを受けた段階では、いつものスーパー戦隊シリーズと同じように「5人」のレギュラーを決めるオーディションだと聞いていたんです。でも、仲間がみんなロボットということで、すごく意外だなと思いました。発表されてから、よく「人間キャストが1人だから、責任感やプレッシャーが大きいんじゃないの」なんて言われるんです。確かにプレッシャーはありますけど、『ゼンカイジャー』という作品に僕を選んでいただいたからには、全力で頑張るだけだ!という気持ちでいます。
――駒木根さん以外の仲間が4人とも「キカイノイド」というキャラクターというのは、歴代スーパー戦隊の中でも初の試みですね。キャラクターとのお芝居は難しくありませんか?
44作品もやってきて、まだ「初の試み」があるんだと聞き、そんな挑戦的な作品に出られることに喜びを感じ、さらに気合いが入りました。ジュラン、ガオーン、マジーヌ、ブルーンとのお芝居について、難しい?と心配されることがありますが、みなさん台本に沿った動きをされますし、セリフもその場でしゃべってくださいますから、普通のキャストと一緒に演技しているのと一緒なんです。ただみんなロボットなので、何を考えているか表情が読み取れないだけ(笑)。それでも、スーツアクターのみなさんが、細かい体の動きやちょっとした仕草で感情を表現するのに長けていますから、そういう意味では演技がとてもやりやすいと言えます。
――スーツアクターの方々から、アドバイスを受けたりすることはありますか。
みなさんアクションのベテランぞろいなので、撮影の合間に動き方などを一から教えていただいてます。これまでの「スーパー戦隊シリーズ」では新人俳優5人が共に力を合わせて成長していこうという形だったと思いますけど、『ゼンカイジャー』の場合、僕が4人の背中を追いかけながら、より急速に成長していけるようがむしゃらに突っ走っていきたいと思っています。
――キカイノイドに声を吹き込む声優の方たちとのコンビネーションはいかがでしょう。
アフレコ現場で声優のみなさんとご一緒しましたが、こちらもベテランの方がそろっていて、とんでもないスキルをお持ちの方ばかり。最初のほうは、うまく声を出せない自分に落ち込んだりもしましたが、みなさんに喰らいついていこうという勢いで、アフレコも頑張っています。足を引っ張らないようにしながら(笑)、いろいろなところを学び、上手くなっていきたいです。
スーツアクターさんたちの絶妙なアクションと、声優の方々による声の演技、いいものといいものが合わさって、とんでもなくいいものになっています。キカイノイドたちはそれぞれ個性が際立っていますので、みんなすぐ子どもたちの人気者になると思います。
――ゼンカイザー/五色田介人とは、どんな人物なのでしょう。
怖いもの知らずで、新しいものをすんなり受け入れたり、直観で物事を判断したり……ちょっとバカなところもありますが、ヒーローの素質十分な男です。どんなことにも真剣に向き合う姿や、懐の深いところなども含めて、まさにヒーローになるべくして生まれてきたような奴なんですよ。
――駒木根さんと介人、共通する部分はどんなところですか。
物事をあまり深く考えないところです(笑)。言ってみれば、介人は僕の「強化版」みたいな存在。とにかく全方向に振り切っているので、僕も介人に負けないよう全力を出さないといけない。いまは介人になりきることだけを考えて、集中して演じています。
――白を基調に鮮やかなカラーが配された介人の衣装については、どんな印象を持たれましたか。
変身後のゼンカイザーのイメージを取り入れつつ、動きやすさを重視した衣装で、カッコいいと思いました。ゼンカイザーは『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャーをモチーフにしたヒーローなので大きな"襟"があるのですが、介人の衣装にも襟がついていて、しかも普通のファッションではあまり見られない"二重襟"という奇抜なものになりました。撮影に入って困ったのは、靴が汚れてしまうこと。"爆発"を経験したときに、せっかくキレイに保っていた靴を真っ黒にしてしまったのがショックでした(笑)。
――駒木根さんの耳のピアスがとてもスタイリッシュで、注目を集めそうですね。
普段からピアスをしていたので、衣装合わせのときに「ピアス穴、空いてます」と言ったら、じゃあ介人もピアスしている設定にしようと決まりました。自分がいつもしているものと違って、センタイギアをイメージしたピアスをつけているんです。
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