俳優・染谷将太(28)が戦国大名の織田信長役で出演しているNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜、後8・00)が7日、ついに最終回を迎える。コロナ禍で異例の年越しとなった最終回で描かれるのは、“染谷信長”にとって最大の見せ場ともいえる「本能寺の変」。主演の長谷川博己(43)演じる明智光秀と、長期間の撮影で築いてきた関係性の集大成を体現する。
謀反の時が迫り、今年に入って放送の度にトレンドワード「本能寺ゲージ」がネット上で踊るなど、視聴者のボルテージも高まる一方だ。
“染谷信長”にとって“長谷川光秀”は、「すごく好きで、頼りにして。十兵衛(光秀)がいて初めて自分がその場にいられる。完全に一方通行で、『お前も俺のこと、好きだろ』と常に思っている」という存在。全幅の信頼を寄せる「最大の部下」からの裏切りだが、撮影には不動心で構えていた。
「本能寺だからと意気込むこともなく、ブレずに今までの信長で挑みたい。一貫して十兵衛を好きで、友情があると思っているので、その友情がどう変化して、どんな本能寺になるか。どう盛り上がって、どう切ない場面になるか。グッとくるものがあるんじゃないでしょうか」
現場での呼吸については「(カメラが回る前は)すごく静かに2人で座って『体調、大丈夫ですか?』みたいな空気感から、セットに入ると、パッと瞬間的にやる感じ」と説明。数多い共演者の中で最も緊張するのは長谷川とのシーンだというが、「全体を客観視されてる感じもあって、自分も安心してその中で思いっきり暴れることができます」と感謝する。
オファーを受けた際の心境を「なぜ自分が、と驚きました。小柄ですし、そんなにドスの利いた男でもないですし、ちょっと体はぽちゃっとしてますし」と自虐的に振り返る。約1年半にわたって演じたが、「自分が抱いていた信長さんのイメージは、教科書に出てきたり、ゲームの『信長の野望』だったりのものでしたが、それからあまり変わってないです」と、自身の信長像は不変だという。
その理由は役作りにあった。
「最初から信長を演じようとは思っていなかったと言いますか、台本に書かれている一人の人物を演じようと思いました。信長を演じることを意識すると、今回の狙いと違うことになってしまう気がしたので」
脚本に沿って、年齢を重ねることでヒゲが生え、権威を得ていくことで周囲の人物の芝居も変わっていった。
「不思議なもので、長いことやってると信長を演じるのが自分の生活の一部になって。その時間の中でどんどん熟していく感じでした。気付いたら声の出し方も低くなって」
長期間にわたる撮影だからこそのステップを踏んで、麒麟版信長は形成された。
大河出演は「武蔵」、「龍馬伝」、「江~姫たちの戦国~」に続く4作目となったが、1作品を通じての出演は初めて。染谷は2019年8月にクランクインしたが、コロナ禍で撮影が3カ月中断し、放送も2カ月半ストップ。異例ずくめだったが昨年12月下旬に撮了し、放送でもいよいよ最終回が訪れる。
「こんなにじっくり考えて作り上げるのは普通のドラマ、映画ではできませんし、大河ドラマで時間をかけてやれたのは自分にとって宝。演じれば演じるほど新しいものが見えてきますし、その中でどんどん熟していく。それができるのは、大河ドラマしかない」
未曽有のウイルスに直面しながらも、全うした“信長の生涯”。役者として得た、かけがえのない財産を誇っていた。
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