2月18日10時。大阪・関西将棋会館において竜王戦2組2回戦▲藤井聡太二冠(18歳)-△広瀬章人八段(34歳)戦が始まりました。
竜王戦2組は2回戦が進行中。昨日17日におこなわれた▲松尾歩八段-△千田翔太七段戦は松尾八段の勝ち。本局の勝者は松尾八段と準決勝で対戦することが決まりました。
関東所属でアウェイの広瀬八段は大阪への遠征。また関西所属でホームである藤井二冠も愛知県瀬戸市在住ですので、やはり移動しての対局となります。
対局室は関西将棋会館5階、御上段(おんじょうだん)の間。
9時43分。まず藤井二冠が入室しました。そして4人の永世名人の書がかけられている床の間を背に、上座に着きます。
9時48分頃、広瀬八段も姿を見せ、下座にすわりました。
両者駒を並べ終えたあと、藤井二冠の「振り歩先」で記録係が振り駒をおこないます。結果は「歩」が3枚出て、藤井二冠の先手と決まりました。
「それでは時間になりましたので、藤井先生の先手番でお願いします」
10時。記録係が声をかけて、両対局者は一礼。対局が始まりました。
藤井二冠はまずお茶を飲み、ハンカチで手を拭いて、初手に飛車先の歩を伸ばしました。
しばらく腕を組み、目を閉じていた広瀬八段。ゆっくりと2分を使います。そして飛車先の歩を手にし、一つ前に進めました。
両者互いに飛車先の歩を2つ伸ばしたあとの5手目。ここは大きな分岐点です。
もし角筋を通せば角換わり。角のとなりに金を上がれば相掛かりとなります。藤井二冠は先手番だと角換わりが多い。一方で、先手番での相掛かりはほとんど指したことがないようです。
本局、藤井二冠は相掛かりを選びました。広瀬八段はどこまで予想できていたでしょうか。
両者ともに飛車先の歩を交換して、10時20分を過ぎた現在は18手目まで進んでいます。
竜王戦の持ち時間は各5時間。昼食、夕食の休憩をはさんで、通例では夜遅くに終局します。
広瀬八段は2018年度、羽生善治竜王(当時)に挑戦して竜王位を獲得。2019年度には豊島将之挑戦者に敗れて失冠しています。
一方で藤井二冠はまだ竜王挑戦の経験はありません。
将棋界は年度末。順位戦も大詰めを迎えています。
広瀬八段は順位戦においてA級7期目。今期は最終9回戦を残して6勝2敗という好成績で、斎藤慎太郎八段(7勝1敗)と名人挑戦権を争っています。
2月26日のA級最終戦。広瀬八段は豊島将之竜王と対戦します。自身が勝ち、斎藤八段が負けるとプレーオフに持ち込むことができます。
藤井王位はB級2組からB級1組への昇級を決めています。
公式戦250局を指して210勝40敗(勝率0.840)というとんでもない成績を収めている藤井二冠。中でも順位戦、竜王ランキング戦、朝日杯は考えられないような成績で、白黒の星取を並べてみると、ほぼ真っ白です。
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